分子レベルのクラフツマンシップ

Linden Leafのジンおよびエッセンスは分子レベルで製造・調整されています。

私たちは最新の低温抽出テクノロジーを採用し、ケンブリッジシャー各地で季節ごとに採集される野生のボタニカルや、世界の遠く離れた土地から調達される希少なスパイスなどの上質な原材料から繊細なノートを分離しています。

骨の折れる研究を通じて確立された抽出プロセスにより、素材ごとに望み通りの香りと風味を引き出すことが可能になりました。すなわち、ジンのあらゆる味覚の点から驚くべき精度で再現できるようになったのです。

最先端のノウハウと科学的な厳密さをつかさどるのは、私たちの嗅覚と味覚という昔ながらのやり方で、大勢のボランティアがテイスティングに協力してくれました。長く充実した旅を経て、ここまでやってきました。

低温抽出

最先端の実験機器を使用することで、私たちは蒸留器内の圧力をエベレスト頂上の気圧よりもずっと低いレベルまで下げることができます。これにより、熱による損傷を避けながら、繊細な素材から低温で抽出を行うことができます。

ほとんどの場合、私たちは抽出を素材ごとに行い、望み通りのノートを得られるようパラメーターを調節しています。これが、シトラスゼストの爽快さやスイカの清涼感など、新鮮な素材の収穫したての香りを維持する秘訣です。

とはいえ、何事もそうであるように例外はあります。温度を上げると異なるフレーバーが引き出され、場合によってはそれこそがブレンドに欲しいものだったりします。例えば、加温して抽出されたリコリスとコーヒーは、よりリッチで深みのあるノートのため、あるブレンドにはこちらが好まれます。

ノーズ2.0

人間の鼻は優れた分析機器ですが、複雑な混合物に含まれるすべてのノートを特定するのは得意ではありません。また、どの分子がそれぞれの香りをもたらしているかを明らかにすることもできません。しかしながら私たちは、人間の嗅覚をターボチャージする方法を見つけました。

ガスクロマトグラフィー (GC) は、混合物のすべての構成要素を分離する実験技術です。混合物を少量気化させ、この気体をカラムと呼ばれる特殊コーティングが施された細いガラス管に通します。それぞれの分子は異なる速度で移動するので、カラムの終わりに到達するのは分子ごとに異なるタイミングになります。

通常、終端には電子検出器を配置しますが、人間の鼻でも検出できることを発見しました。届く量はごく少量でも、判定士の鼻はこれらの香りを特定し、「レモンゼスト」、「ライラック」あるいは「ひどい臭い」などと判定することができます。

本当に分子?

はい、その通りです。抽出とブレンドの背景には、鼻と舌の受容体と反応する分子が存在しています。

GCと人間の鼻に加えて、質量分析計 (MS) と呼ばれるテクノロジーを使うことで、どの分子がそれぞれの香りをもたらしているのかをより明らかにしてくれます。質量分析計は電荷と強力な磁場を使用し、それぞれの分子の質量を非常に正確に測定します。

MSをGCの終端に設置してGC-MSとすれば、異なるタイプの分子が出てくるたびにその質量と割合が分かります。GC-MSは質量を正確に測定するため、正確な分子構造を突き止めることができます。

ボタニカルごとに適切な素材を選び、抽出パラメーターを注意深く調整することで、欲しい分子を最大限得ることができます。また、その後のバッチでも一貫性を維持することもできます。これが分子レベルの職人技です。

ブレンディングの地図を作る

私たちは、あらゆる素材の重要なフレーバー分子のライブラリを構築しています。これにより、各分子をより多くまたはより少なく抽出するためにプロセスの調整方法を知っています。

クラウドソーシングによって得られた試飲のフィードバックは、人がこれらの分子のブレンドをどのように受け止めるかモデリングするのに役に立ちました。私たちはフレーバー間の調和と時々起こる不調和を定量化し、もっとも好まれる組み合わせを探しています。

これによりジンのブレンディングは自動化できるでしょうか?しばらくは無理でしょう。その代わりモデルはブレンディングの地図として相性の良い香りと風味の要素を探り出し、ブレンドのレシピを決定するのに役に立ちます。

ボタニカルの定義

ボタニカルとは何でしょう?私たちは、興味深い香りや風味のあるものは何でもボタニカルだと考えています。

乾燥ジュニパーベリーからブッシュカンまで、従来のスパイス、ハーブやフルーツについて最高品質の物を地元と全世界で探し求めています。それと同時に、考えられるあらゆるものを試しています。オークモスはどうでしょうか?くるみの殻は?海藻は?芽の出た芋は?

それぞれの素材は栽培品種、生産者、そして季節によって大きく異なります。スーパーマーケットで手に入る一般的なマスクメロンと夕張キングを比べれば、とても近い種とは思えません。

抽出された香りは、生のボタニカルの匂いや味とはかなり異なる場合があります。まだ青い果実、または食べられない皮から最も興味深いエッセンスが採れる場合もあります。まれにバルク乾燥されたスパイスのほうが手間をかけて手作業で収穫したものよりも良い香りをしている場合もあります。幸いにして私たちは実験が大好きです。

オーガニック農産物

Linden Leafの全員は、環境負荷を最小限に抑え、生態系のバランスを保ち、生物多様性を守ることを重視しています。私たちは当初から、オーガニックの農家や生産者を支援したいと考えていました。彼らの理念に賛同するのはもちろん、彼らが生み出す農産物の質の高さを評価しているからです。

経験的に、果物や野菜はオーガニックのものが最も品質が高いと分かっています。集約的に栽培しておらず、農家が品質にこだわっているからです。オーガニックの農産物を魅力的なものにするその品質は、ジンやエッセンスの製造においてはさらに重要になります。風味や香りに深みがあれば、それだけユニークな分子的フレーバーを実現できるのです。

アルコールを選ぶ際も、オーガニックのアルコールのほうが味が良いことに驚かされました。よりなめらかでよりニュートラルで、口当たりが素晴らしいのです。

当社のすべての商品は、英国最大のオーガニック認証機関であるソイル・アソシエーションの厳しい要件を満たしています

ジュニパーの物語

ジュニパーベリーはジンの香りと味を左右する重要な要素です。

カリフォルニアジュニパーやフェニキアジュニパーをはじめ、食べられる実をつけるジュニパーには驚くほど多くの種類があり、さらに普通のジュニパーをとってもさまざまな異なる実を付けます。

私たちはスーパーマーケットで売られている小瓶入りのベリー、ケータリングで提供されたもの、「ジン用ボタニカル」として売られているもの、さらに野で摘んだ野生のものまで試しました。また、世界各地のマーケットでもベリーを探しました。

私たちは、ブレンドごとに調合したジュニパーを使用しています。採用する種、ベリーの熟し具合、乾燥の度合い、下処理の方法、そして抽出方法まで、ジンの核となるボタニカルは非常に複雑です。

水とアルコール

ボタニカルと分子レベルの職人技にどれだけこだわっても、ジンを構成するほとんどは水とアルコールです。

まだアルコールの自社蒸留は行っていません。自社蒸留よりも風味の科学に集中的に取り組むべきだと考えており、また多くの優れたメーカーがスピリッツ用の高品質のアルコールを提供してくれます。6回またはそれ以上の回数蒸留を行っても、各製品には何らかのフレーバーが残っています。

水についても同じことが言えます。逆浸透を繰り返すことでほぼ完璧な純水を生成することができます。純水がブレンドに適している場合もあれば、ミネラルウォーターの異なる口当たりが最適な場合もあります。純水と、なめらかでシリカに富んだミネラルウォーターの違いがこれほど大きいとは予想もしませんでした。

他と同様に、私たちはブレンドの試飲結果に基づいて決定を行っています。

シッピング ジン

ジンのテイスティングを行い、ブレンドを作成する際には、ちょっとしたジレンマがありました。トニックの強い風味に負けないようにするには、ジンにはしっかりとしたキレが求められます。繊細さに欠けるという意味ではありませんが、多少のたくましさが必要なのです。

ミドルノートとフィニッシュが構造的なより複雑なブレンドを作るようになると、フレーバーの余韻を最後まで楽しめるようにしたいと思うようになりました。試飲では、「トニックと合わせるのはもったいない」というコメントが数多く寄せられました。そこでシッピングジンに辿り着きました。

シッピングジンは豊潤で繊細なフレーバーが魅力で、トニックにもよく合います。ストレートまたはロックで、あるいは魅惑的なカクテルの材料として楽しむのもお勧めです。

究極のエリキシル

研究の一環として、私たちは伝統的な香水作りおよびインドの香油について調査しました。これらは数メートルにもおよぶ非常に長い蒸気管を用い、時間をかけて抽出されます。全体の蒸留プロセスは手間を要し、何日もかかる場合もあります。

私たちはボタニカルでも同様のアプローチを試し、かつてなく上質で繊細な香りを手に入れることに成功しました。香りの構成要素を、個別の魅惑的なノートとして引き出すことができたのです。熱による損傷を避けるため、すべての機器を冷やして使用し、また処理に時間をかければかけるほどエッセンスの香りと風味は良くなりました。

その後も数多くの実験を重ねることで、現実的な製造工程とボタニカルブレンドが決定し、絶妙なハーモニーを奏でる比類ないジンが誕生しました。当社の他の商品と異なり、「究極のエリキシル」ではボタニカルを事前に混ぜ、特定の抽出条件で数日(時として数週間)かけて一滴一滴抽出しています。

このジンはまさに「究極のエリキシル」。フレーバーと香りの見事なシンフォニーをお楽しみください。

シングルノート

Linden Leafを立ち上げたきっかけは、ジンだけではありませんでした。料理やカクテルに使用できる個別のエッセンスも作りたいと考えていました。エッセンスを数滴たらせば、料理に新鮮なハーブの香りをプラスしたり、カクテルに完璧に熟したフルーツの風味を足せるのではないかと考えたのです。

ボタニカルと果実について探求するにつれ、失望することはありませんでした。それどころか、適切な下準備と処理を施すことで、実に美味なエッセンスが引き出される素材が数多くあることがわかりました。

当社のシングルノートエッセンスには、個々の素材、または相性の良い複数の素材の魅力が凝縮されています。その使い方は?例えば、当社のサンプルは複雑なカクテルを作りたいバーテンに大人気です。マシューによると、ロックで飲むと上質な食後酒またはアペリティフになるとのこと。ポールの考えでは、料理に使うのに最適だそうです。エッセンスを試用したひとりは、香りがとても気に入ったのでルームディフューザーとして使いたいと言っていました。使い道はあなた次第です。